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一般酒類小売業免許や通信販売酒類小売業免許、輸出入酒類卸売業免許など、お酒の免許について。

酒販免許にまつわるFAQをご紹介! vol.4

 

FAQ活用の注意点

注意点としては、この質問に限らずどの質問に対しても同じことですが、このブログで回答していることは絶対ではないということです。

免許の性質上、提出された申請をどのように処理するかは各税務署長の裁量に委ねる部分が少なくないのです。

寄せられた質問の限られた情報の中で一般的な回答はできても、絶対確実な回答をすることは到底できないということ。
ですから、免許を取ろうという意思が確実になりましたら、必ず管轄の税務署に事前相談をすることを忘れないでください。

 

今日の質問です。

私は会社員をしております。個人として質問です。
●●●という国の知り合い(法人)に日本酒などを輸出したいと考えております。
少ない数量であれば、問題がないと思うのですが、大量のLot数で輸出する場合は免許が必要だと思います。
具体的にはどの免許があれば、●●●とのビジネスを達成できますでしょうか?

 

 

Answer

事業内容により免許は変わる

どのような事業を行うのかによって申請する免許の区分が異なります。
●●●という国にある法人に対して日本酒を輸出するということですが、その法人が現地で行なっている事業形態が何なのかによって区分が違ってきます。

つまり「日本酒などを輸出したい」と言うことですが、重要なのは輸出したい、と言うことではなく、輸出した後どうするのかと言うことなのです。

輸出して小売をするのか、それとも輸出して卸売業をするのか、それが大切です。

 

可能性のある免許区分は

 ※輸出酒類卸売業免許
 ※一般酒類小売業免許

の2つです。

 

※輸出酒類卸売業免許

輸出酒類卸売業免許とは、輸出される酒類を卸売することができる酒類卸売業免許のことを言います。

そもそも酒類卸売業免許というのは、酒類販売業者又は製造者に対し酒類を継続的に販売することができる免許のことですから、卸売業免許で小売をすることはできないわけです。つまり、酒類販売業者(又は製造者)に対してしか販売できません。

 

※一般酒類小売業免許

酒類小売業免許とは、消費者・料飲店営業者又は菓子等製造業者に対して酒類を継続的に販売することが認められる免許をいい、

のことを言うのです。

一般酒類小売業免許は、通信販売を除いて、全ての品目の酒類を小売できる免許をいいます。

なので、「消費者・料飲店営業者又は菓子等製造業者」に対してしか酒類を販売することはできません。つまり、小売業免許では酒類販売業者又は製造者に対し酒類を販売することはできないのです。

 


 

ですから、販売する予定である相手先事業者が、●●●という国でどのような事業を行なっているものなのかがわからないと何の免許を申請するべきなのかがわかりません。

現段階でわかっている情報は、

「●●●という国の知り合い(法人)に日本酒などを輸出したい」

と言うことだけなので、その法人の事業形態がわかりません。

何も酒類販売業者だけが法人なわけではなく、料飲店だろうと菓子等製造業者だろうと、法人である可能性はあるので、この質問の文言のみでは判断することはできません。

 

ですから

現段階で可能性のある免許区分は

 ※輸出酒類卸売業免許
 ※一般酒類小売業免許

の2つであると言うことです。

 

 


 

販売する量の多寡は関係ない

次に

少ない数量であれば、問題がないと思うのですが、大量のLot数で輸出する場合は免許が必要だと思います。

 これは大きな勘違いです。

多量に販売するなら免許がいるが、少ない数量ならば免許はなくてもいい、と言うことはありません。

 

自分が営業する料飲店の中で客に飲ませる目的で酒類を販売するとか、家の中で埋もれてた酒類を一回だけオークションで売ると言うような場合には免許は必要ないとされていますが、事業者に対して酒類を継続的に販売する目的であれば、量が多いか少ないかに関係なく免許を取得しないといけません。

こういった勘違いで、量が少ないからと免許を受けずに販売すると「無免許販売」になってしまいますので注意が必要です。

 

 

まとめ

最近ではいろいろなサイトで情報を得ることができるようになってきており、よく勉強している人が多いことに驚かされます。

ただ、やはり何の免許を申請するべきなのかとか、免許を取得するには要件をクリアする必要があるなど、よく知っている人でないと分からないことがたくさんあります。

間違った申請とならないように、詳しい専門家に相談するか販売場を管轄する税務署(酒税担当)に相談するなどして思い込みで手続きを進めるようなことがないようにしてください。

 



*申請の前には必ず税務署の事前相談を受けてください。

 

お問い合わせ

 何かご質問や問い合わせがありましたら下のmail formからどうぞ(公開はされません)。

 

 

酒販免許にまつわるFAQをご紹介! vol.3

 

FAQ活用の注意点

注意点としては、この質問に限らずどの質問に対しても同じことですが、このブログで回答していることは絶対ではないということです。

免許の性質上、提出された申請をどのように処理するかは各税務署長の裁量に委ねる部分が少なくないのです。

寄せられた質問の限られた情報の中で一般的な回答はできても、絶対確実な回答をすることは到底できないということ。
ですから、免許を取ろうという意思が確実になりましたら、必ず管轄の税務署に事前相談をすることを忘れないでください。

 

今日の質問です。

輸出入酒類卸売業免許申請から 交付までの期間を教えてください。 (問題が無いと言う前提で御願いします。)

 

Answer

標準的な答えなら・・・

簡単に、一言で言いますと、 「申請書が提出された日の翌日」を起算日として2ヶ月以内 です。

これは酒類販売業免許の事務処理期間(標準処理期間)として決められています。 ただし、質問のカッコ書きにもありますように、税務署長が処理するにあたってどこにも何の問題もない場合です。 一般的にはこの処理期間が適用される場合がほとんどでしょう。

ですから、私たちも通常は、「申請書を提出してから2ヶ月かかります」と返事をしています。通常、かかる期間は2ヶ月と思っておいていいと思いますが、中には、それで済まない場合というものもあります。

ただし・・・

ここからはあまり一般的ではないので、覚えておかなくてもいいと思いますが、あり得ないというわけでもないので一つの知識としてみておいてください。 免許事務の処理機関には3段階あります。

上の3段階を下から見てみます。

 

国税庁長官に上申を必要とするもの

まず「国税庁長官に上申(上官・上役などに申し上げること)を必要とするもの」から見てみます。 次の1・2に掲げるものについては、国税庁長官に上申して、その指示により処理することとされています。

  1. 異例・特殊な販売業免許で国税局長が特に免許の付与を適当と認めたもの
  2. 法第10条《製造免許等の要件》第7号の2に規定する者に該当することとなったことを理由として法第14条《酒類の販売業免許の取消し》第2号の規定により酒類販売業免許の取消しを行う場合

このうち、2の意味がよくわかりませんね。軽く解説しましょう。

法第10第7号の2というのは、

未成年者飲酒禁止法の規定

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規定

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定

★刑法の規定(傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合及び結集・脅迫・背任)

★暴力行為等処罰に関する法律の規定

 

上の各規定のことを言っています。実際には、こんな簡単な書き方ではなく、もっと細かい規定なのですが、全部挙げると大変なことになりますので、大幅に内容を割愛しました。

そして「酒類販売業者が上表の各号のいずれかに該当することになった場合には、税務署長は、酒類の販売業免許を取り消すことができる。」という規定に基づいて酒類販売業免許の取消しを行う場合には、国税庁長官に上申して、その指示により処理することとすると言っているのです。

税務署長は、申請者から申請書類を受理した日の翌日から起算して、原則として2か月以内に国税局長に上申するものとし、国税局長は税務署長から申請書類を受理した日の翌日から起算して、原則として、1か月以内に国税庁長官に上申する、とされています。

 

国税局長限りで処理するもの

次に、「国税局長限りで処理するもの」です。 酒類販売代理業免許・酒類販売媒介業免許の付与・移転の許可(移転前後で管轄税務署が違うもの)・税務署長において酒類の販売業免許の付与若しくは移転の許可の可否判定が困難であるものについては、国税局長に上申の上、その指示により処理します。ただし、国税局長が税務署長限りで処理しても差し支えないと認めたものは税務署長が処理します。

税務署長は申請者から申請書類を受理した日の翌日から起算して、原則として2か月以内に国税局長に上申し、国税局長は税務署長から申請書類を受理した日の翌日から起算して、原則として2か月以内に処理すると定められています。

 

税務署長限りで処理するもの

最後に、「税務署長限りで処理するもの」です。 上記、2つの処理以外のものについては原則として、税務署長限りで処理をすることとされます。

税務署長限りで処理するものについては、申請者から申請書類を受理した日の翌日から起算して、原則として、2か月以内に処理することになります。

 

もう少し細かく書くことができますが、ここではこれ以上詳細な説明は必要ないと思われます。

 

まとめ

申請する内容や事情等によって、変わってくることもありますが、特別に難しい案件だとか上級庁の判断を必要とするもの以外は、基本的に2ヶ月の処理期間だと考えておいていいでしょう。

 



*申請の前には必ず税務署の事前相談を受けてください。

 

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酒販免許にまつわるFAQをご紹介! vol.2

 

FAQ活用の注意点

注意点としては、この質問に限らずどの質問に対しても同じことですが、このブログで回答していることは絶対ではないということです。

免許の性質上、提出された申請をどのように処理するかは各税務署長の裁量に委ねる部分が少なくないのです。

寄せられた質問の限られた情報の中で一般的な回答はできても、絶対確実な回答をすることは到底できないということ。
ですから、免許を取ろうという意思が確実になりましたら、必ず管轄の税務署に事前相談をすることを忘れないでください。

 

今日の質問です。

はじめまして、近々に輸入酒販免許を取りたいと思います(ワイン)。仕入先(某国名)・販売先も決まっています。ただまだ会社を設立していません。○月には設立できると思います。少しですが資金の方も調達が出来そうです。どのようにすれば良いのかアドバイスをお願いします
宜しくお願いします。

 

Answer

どのようにお答えすればいいのか少し困ってしまう質問です。


まず一番の問題点は、

近々に輸入酒販免許を取りたいと思います。輸入酒類卸売業免許を取りたい

ということですが、果たして本当に必要なのがその免許でいいのか? という問題があるんですね。
普通、外国からお酒を輸入するんだから「輸入酒類卸売業免許」でいいんじゃないの?
そう考えますよね。実は私も酒販免許の業務をやり始めたばかりの頃、単純にそう思って間違えたという経験があります。

そう、私が行政書士をしていたその当時、あるクライアントからご相談があったときのことです。

外国からブランデーを輸入して、その後の細かい過程は省略しますが、そのクライアントが自分の店で一般個人の消費者に販売するということを考えていたわけです。

「じゃぁ、輸入酒類卸売業免許免許ですね」

まだあまり経験のなかった私は「酒の輸入=輸入酒類卸売業免許」と単純に思い込み、書類の作成準備に入ったわけです。
書類を作成する過程で、確認事項が出てきたので税務署に確認したのですが、税務署からは「どのような事業をするんですか?」とか「輸入元は決まってるんですか?」「販売先はどういう人を想定しているんでしょうか?」などなど、いろいろな質問を受けました。
結果、税務署から得た答えは、

そういうことならば、申請してもらうのは輸入卸の免許ではなく一般酒類小売業免許ですよ。
輸入酒類卸売業免許というのは、自己が輸入する酒類を「卸売り」するための免許ですから。クライアントさんが考えているのは卸売りじゃなくて「小売」でしょう? 店頭で一般消費者に対して販売するというんだから。ですから、申請してもらうのは一般酒類小売業免許ですね。

というものでした。

輸入=輸入酒類卸売業免許という表面的には似たような事象だけを捉えて、どのような販売をするのか、誰に対して販売するのかなど、実質を見ずに判断すると申請する区分を見誤ることになります。

今回の質問では、「ワインを輸入して販売したい」ということだけしか書かれておらず、輸入後に卸売をするのかまたは小売をするのかということが全くわかりません。

さらに行う事業形態をよく考えてみたら、媒介・代理の形態だったなんてこともありえます。そうなれば媒介業免許や代理業免許が必要となります。

このように、表面的に似ているからこれで良い、というものではありません。事業形態に合わせた正しい免許で申請しなければいけないのです。

ですので、その意味でこのご質問を見る限り、質問者が考えている輸入免許でいいのか判断することはできません。

 

法人申請は法人設立後に

まだ会社を設立していません。 ○月には設立できると思います。
ということなので、法人で申請をしたいということですね。


「○月には設立できる」という見込みが立っているようなので、申請そのものは設立登記が完了して以降となります。
もしまだ法人申請希望で、まだ設立に入っていないという方は、早急に法人の設立手続きをしてください。
ご存知かとは思いますが、「法人」と「個人」は全く別のものとして扱われます。酒販免許の申請は「個人」でも「法人」でどちらでもできます。

書類の作成そのものは自然人(いわゆる「人間」のこと)にしかできませんから、設立前から始めてもらって構わないのですが、申請は「法人」名義でなければいけません。法人の設立登記もまだ完了していないのに、手続き中だから(もう間も無く完了するから)という理由で個人が法人名で申請することは当然できません。申請書には会社の登記簿(登記事項証明書)を添付しないといけないので、事業の計画ができたら早急に法人の設立をするようにしましょう。

 

資金調達やその他の経費等

「少しですが資金の方も調達が出来そうです。」

資金の調達はめどは立っているようですね。それが自己資金なのか、或いは融資によるものなのかもしっかり検討しておかないといけません。
しかし、今の段階では、資金調達の方法も検討するのと同時に、基本的なやるべきことをしっかりと押さえておく必要があります。

酒販免許を取得するためには、申請者は重要な要件をクリアしなければなりません。その要件をクリアしているのか十分に検討してください。要件がクリアできなければ、最悪の場合には拒否処分を受けてしまう恐れもあります。

酒類仕入先や販売先の見込みは立っているでしょうか?
年間でどのくらいのお酒を仕入れてどれくらい販売するのでしょうか?
そもそも、販売場は決まっていますか? 借りるとすると家賃や水光熱費、維持費等はどのくらいかかるのか計算していますか?
設備や備品の調達具合はどうですか?
業務上かかる経費(販管費等)は計算されていますか?
その他、考えなければならないことは山ほどあります。

これらのようなことを全て考えて、申請書という書面に落とし込んでいくわけですが、税務署は提出されたこれらの書面を一つ一つ見ながら審査していくわけです。

早く申請したいからと、慌てたり焦ったりするのではなく、事業の計画をしっかり考えてください。
申請書は当然、税務署に提出するものですが、それ以外の誰かに見せたりするようなものではありません。
申請者の実力以上の無理をした目論見(もくろみ)を作る必要は一切ありませんし、そんなことをしても無意味です。
地にしっかり足をつけた事業計画を作るようにしてください。

 

まとめ

今回の質問では何の免許を取得するべきかを判断することはできませんでした。一番大切な部分ですので、自分のやりたい事業をよく把握した上で慎重に決定します。基本的には税務署に相談してくださいね。

その他、決めなければならないことはたくさんあります。免許に詳しい専門家に相談するか、こまめに税務署に尋ねるかようにしましょう。



*申請の前には必ず税務署の事前相談を受けてください。

 

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酒販免許にまつわるFAQをご紹介! vol.1

 

FAQ活用の注意点

注意点としては、この質問に限らずどの質問に対しても同じことですが、このブログで回答していることは絶対ではないということです。

免許の性質上、提出された申請をどのように処理するかは各税務署長の裁量に委ねる部分が少なくないのです。

寄せられた質問の限られた情報の中で一般的な回答はできても、絶対確実な回答をすることは到底できないということ。
ですから、免許を取ろうという意思が確実になりましたら、必ず管轄の税務署に事前相談をすることを忘れないでください。

 

今日の質問です。

私達は設立4年目の株式会社です。
要件を見たところ、経験の部分でネックがあると考えています。
これまでに酒類以外の業態でも小売や在庫管理の経験はほとんどありません。
管理者講習は受けるつもりでおりますが、この状態でも申請許可がおりる可能性はありますか?
税務署からは総合的に判断するので何があればいいとはいえないと言われてしまい、現状では難しいのではないかと思いながらどうするべきか判断がつきかねています。

 

Answer

要件は質問者さんご自身でチェックしているようですね。経験がネックになっていると自己診断されています。


経験要件については、あくまでも一般論ですが、実際に酒販とか酒造の経験がなくても、個人事業主ならばその代表者が、法人ならばその役員が酒類販売管理研修を受講することで、経験があるものと見てもらえることが多いというのは事実です。
しかし、酒類販売管理研修を受講さえすれば何でもかんでもそれでOKかというと、必ずしもそういうわけでもないのですね。

 

経営の基礎が薄弱であると認められる場合

「経歴及び経営能力等」についての要件が法令解釈通達というものの中で定められています。


まず、「経営の基礎が薄弱であると認められる場合」。

「経営の基礎が薄弱であると認められる場合」とは、申請者等において、事業経営のために必要な資金の欠乏、経済的信用の薄弱、製品又は販売設備の不十分、経営能力の貧困等、経営の物的、人的、資金的要素に相当な欠陥が認められ、酒類製造者の販売代金の回収に困難を来すおそれがある場合をいう。

 

具体的には

  • 破産者で復権を得ていない場合
  • 国税又は地方税を滞納している場合
  • 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
  • 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合又は最終事業年度以前3事業年度のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合
  • 酒税に関係のある法律に違反し、通告処分を受け、履行していない場合又は告発されている場合
  • 申請販売場の申請場所への設置が、建築基準法都市計画法農地法、流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令又は地方自治体の条例の規定に違反しており、当該店舗の除却又は移転を命じられている場合
  • 現に酒類製造免許を受けている酒類に対する酒税につき、担保の提供を命ぜられたにもかかわらず、その全部又は一部の提供をしない場合
  • 申請酒類小売販売場において酒類の適正な販売 管理体制が構築されないことが明らかであると見込まれる場合

これらのような場合に該当すると、申請は通らない又は通りにくいことになります。

 

経歴及び経営能力等

「経歴及び経営能力等」として、「経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有する個人または法人」であることが求められています。


では、その「経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力」とは何なのかという部分を、次のように例示しているわけです(一般酒類小売業免許の場合)。

 

  1. 酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に直接従事した期間が引き続き3年以上である者、調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して3年以上である
  2. 酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者又は酒類の製造業若しくは販売業の経営者として直接業務に従事した者等で酒類に関する事業及び酒類業界の実情に十分精通していると認められる者

これはあくまでも経験や経歴についてのみの記述なのですが、酒類の小売業をするためにはこのくらいの経験・経歴のある人(法人)であって欲しい、としているわけです。


もちろん、これ以外にも要件はいっぱいあるのですが、今回は経験や経歴についての質問ですから、他の要件については割愛します。


そこで、質問者さんの記述の中に次のようなものがありました。

これまでに酒類以外の業態でも小売や在庫管理の経験はほとんどありません。


事業としては法人を設立して4年目、おそらく小売業以外の事業形態なのでしょう。しかも4年目ということは丸3年経過したということです。
これまでにどのような事業をどのように行ってきているのか、法人の財務の状況はどうなっているのか、欠損は出ていないのか、小売業以外の仕事で4年目というのは、客観的に見て相当な期間にわたって営業が安定して継続できているかどうかは微妙な長さと言えるかもしれません。
そんな中で、小売業免許を付与することが適正であると考えられるかどうかは、いかに税務署とはいえ財務関係書類や事業目論見などを実際に見て見なければ、結論を出すことはできないと思います。


ですから、
「税務署からは総合的に判断するので何があればいいとはいえない」というのはごく妥当な回答だろうと思います。


おそらく、質問者は詳しい事業計画や会社の現況などの資料を持たずに税務署職員に尋ねたのだろうと思います。


税務署という官公署であるからこそ、詳細がわからない状況で「大丈夫ですよ」とか「無理ですよ」などという安易な回答はできないのは当然のこと。


現段階では拒否されたわけでもなんでもないので、もしどうしても免許を取りたいのであれば、各種要件はクリアされているのか、どういうことをしたいのかとか、どういう販売方法を考えているのか、どれくらいの売り上げが見込めるのか、それに対して仕入れ資金が確保されているのか、販売場はどこ?設備は揃うのか?仕入先のめどは立っているのか?その他にも、事業を行うためには必ず考えておかなければならない様々な項目を検討し、それらの書類を持って税務署に相談に行く必要があります。


税務署は「仮定の話」に対しては基本的には回答してくれませんし、答えてくれたとしても一般論としてしか回答してくれません。仮定の話に対して責任ある回答ができるはずがないからです。
税務署職員と信頼関係が得られるほどまで相談・打ち合わせを重ねていく以外に他ないだろう、というのが私の考えです。

 

まとめ

申請するためには、又は免許が付与されるためには色々な要件があって、それらをクリアする必要があるということは理解してもらえたと思います。

今までいろいろと書いてきましたが、今回の質問の肝である、「経験はないけど申請できるか?」という部分に限定してお答えすると、原則として酒類販売管理研修を受ければ経験なしでも経験要件をクリアできる可能性が高いと思っていいと思います。



*申請の前には必ず税務署の事前相談を受けてください。

 

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「契約等」について(輸出入酒類卸売業免許)

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契約等について

輸出・輸入の両卸売業免許ともに共通の要件があります。

これは「輸出入酒類卸売業免許」独特の要件といってもいいのではないでしょうか。


それは、
「販売能力及び所要資金等」
に関する要件です。


どのように書かれているかというと、

契約等により酒類を輸出又は輸入することが確実と認められる。

というものです。


輸出入について、その取引が確実に行われるであろうことが認められるために、
「契約等」が必要であるということです。
この「契約等」の意味するところは、自社(法人・個人を問わない)と取引相手との間で取引が行われることを証明した契約書面を取り交わし、それを申請書に添付してください、ということです。


申請書提出までに相手方と正式な契約書が作成される場合はそれをコピーします。
ただ商習慣上、未だ免許を取得できていない相手と正式な契約書を作成することはできない、という会社も多いものです。いえ、むしろそちらの方が多いかもしれません。


このように、正式な契約書の作成をしてもらえない場合には、正式な契約書ではなくても、覚書や念書のようなものであっても税務署の方は問題ありません。

 

覚書・念書

覚書というのは、簡易な両当事者による合意内容を作成したものです。

念書というのは、当事者のうちの一方が相手方に差し入れるものです。


でもどうなんでしょう。
税務署は、契約等で取引が行われることが確実であるということを求めているのです。
ですから、一方が他方に差し入れるタイプのものは、税務署の立場からはなかなか分かりにくいとも言えます。
ですのでここでは簡易型でもいいので、両当事者が署名もしくは記名・押印してある方がいいのではないかと思います。

 

外国の取引先

外国の取引先との間では、基本的には外国語(英語が一般的か)で作成されたものでも構いません。
しかし、税務署では全く同一内容で日本語に翻訳されたものも提出しなければいけません。

新規で免許申請する場合、案外この契約関係で時間がかかってしまう場合もあります。
相手先が大企業になればなるほど、なかなか覚書や念書も作成するのに時間がかかることもあるようです。

前々から、取引について十分な話し合いが行われてきた経緯がある場合はすんなり提出されてきますが、そうではない場合も散見されます。

 こういったところで時間を取られないように、申請をする前までに契約関係は十分に確認しておくことをお勧めします。

 

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酒販免許を申請するにはどのように考える?

一般酒類小売業免許
信販酒類小売業免許
洋酒卸売業免許
輸出入酒類卸売業免許

 

そのほかにもアルコールの販売業免許の区分には色々なものがあるけれど、どの免許でも基本的な考え方は一緒。何かというと、「しっかり事業計画を考えろ」ってことに尽きます。

提出する書類もたくさんあるけれども、その多くは事業計画に関するもの。

 

販売場はどこ?

販売場の中のレイアウトは?

敷地や建物の面積は?

店や事務所・倉庫などの面積は?

什器備品はどんなもの?

酒の仕入先は誰?

酒の販売先は誰?

どんな区分(例;清酒・ウィスキー等)の酒を年間何本販売する?

その酒は何ml入りで単価はいくら?

申請者の事業には酒販業以外のものもある? あるならその売り上げは?

どんな区分の酒を年間何本仕入れる?

その酒は何ml入りで仕入単価はいくら?

申請者の事業には酒販業以外のものもある? あるならその仕入金額は?

人件費はいくら?

賃借料は?

水光熱費は?

宣伝広告費

結局、販管費としていくらを見積もる?

酒の仕入額を月間仕入額に換算して、事業開始の初月に必要な金額はいくらになる?

その額を賄うだけの預貯金はある? 通帳のコピーも準備しないといけません。

販売見込み数量を計算した、その根拠は?

そもそも、なんで酒販免許が必要なの?

 

基本的な部分としてはこのようなものでしょうか。もちろんこれだけで済むものではありません。ほかにも必要なものはいっぱいあります。

でも、最低限これくらいのことは申請書を作るまでに考えておかないといけないんですよ。

一見難しそうに見えますが、事業をこれから開始しようと思ったら大体誰でもこのくらいのことは考えると思いますから、特段困難なことではないと思います。

事業をこれまでやってきた人にとってはごく当たり前のことですが、今まであまり関係のない仕事をしてきた人にとってはあまりピンとこない部分もあるかもしれません。

また、酒販免許独特の書類なども準備しなければならなかったりもするので、一度に考え始めると混乱したりすることもあるでしょう。

税務署に聞くにも、上に挙げたような項目について、ある程度までは考えてからでないと「仮定の話にお答えするのは難しい」とか言われてしまいます。

なので、スムーズに申請書を作り上げるためには、よくわかっている人に聞くのが一番手っ取り早いということになります。

 

ご質問やお問い合わせは以下のmail formからお願いします。お問合せ内容は公開されません。

リサイクルショップでの酒類の買取・販売免許 ー ネットオークション版

前にも書いた通り、最近はリサイクルショップが酒類販売業免許を取得する例も増えてきています。

リサイクルショップの場合は店頭販売だけではなく、ネットオークションに出品して販売をすることがほとんどだろうと思います。


ここからはネットオークションで酒類の販売をするための通信販酒類小売業免許について説明します。

ご存知の通り、インターネットで酒類を販売する場合にも免許が必要です。この「インターネット」の中には、一般的なECサイトでの通信販売だけではなく、ネットオークションでの継続的な酒類の出品も含まれます。
 ですから、買い取った酒類をネットオークションに出品するには通信販酒類小売業免許も必要になるのです。


ネットオークションサイトにも色々な会社があるようです。私はオークションサイトそのものに精通しているわけではないので、各社個別の内規等についてはご自身で調べていただきたいのですが、一番多いヤフーを参考に見てみましょう。

通販免許の申請を行うためには、添付書類として販売用のホームページ画像を添付しなければいけません。しかし、オークションの主催会社は免許がなければ出品用のI.D.を発行しませんから、実際の商品を出品したサイトそのものの画像を添付することはできません。

このホームページ画像については、実際のサイト画像そのものでなくても構いません。また、免許を受けていない時点で実際のサイトを公開して受注してしまうと当然のことながら酒税法違反となりますから、このようなサイトイメージで、こういう表示をするというイメージ画像を添付すればOKです。

先ほど、販売場での表示を簡単に説明しましたので、オークションサイトではどうなるかをみてみましょう。
 オークションサイトの中の、商品画像の下の方に商品詳細を記載するエリアがあります。

この中に、
 「未成年者の飲酒は法律で禁止されている旨」
 「未成年者に対しては酒類を販売しない旨」
を表示します。


 また、申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」又は「未成年者に対しては酒類を販売しない」旨を申込みに関する画面に表示しなければいけません。


さらに、購入者に対して発行される「納品書」にも、未成年者の飲酒は法律で禁止されている旨の表示が必要です。納品書は書面で商品に同封される場合だけでなく、ネットからダウンロードできるようになっている場合も同様です。


これらの表示は、原則10ポイントの活字、インターネット等による場合には酒類の価格表示に使用している文字以上の大きさの統一のとれた日本文字で明瞭に表示していることが求められています。


また、ECサイトにおいては酒類に限らず、すべての通販サイトでは「特定商取引法に基づく表示」が必要ですが、これはネットオークションにおいても必要です。
ただ、オークションサイトでは出品者個別の特商法のページを作成することはできないのではないかと思います。ですので、これらの内容は商品詳細の記入欄の中に書き込むことになります。


もし、出品者個別の特商法のページが作成できる場合は、そこに記入してください。


どのような内容を記載するかについては、以下の通りとなっていますので必要に応じて記載してください。


※商品の販売価格(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料) 
※商品の代金の支払の時期及び方法
※商品の引渡時期
※商品の引渡しについての特約に関する事項(その特約がない場合には、その旨)
※販売業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
※法人の場合、インターネット等によるときは、販売業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
※申込みの有効期限があるときは、その期限
※商品の販売価格以外に購入者が負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額
※商品に隠れた瑕疵がある場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
※商品の販売数量の制限その他の商品の販売条件があるときは、その内容
※インターネット等によるときは、販売業者の電子メールアドレス
※商品の引渡しをする前に、商品代金の全部又は一部を受領する場合は、申込みを承諾す る旨の通知をすることとしていること


ネットオークションの場合は、落札者が決定し、その落札者からの連絡を受ける際に年齢が確認できる書類を添付してもらうなどの配慮があればさらにいいでしょう。

実際にサイトに書き込む文章表現のうちのどれが、上記のどの項目に該当するのかわかるように線を引いて欄外や項目の付近に記入します。


オークションサイトでの構成上、上記の内容を記載したテキストエリアの末尾の辺りに、販売者の詳細を記載しておくといいでしょう。つまり、販売者名・住所・電話番号・メールアドレス・酒類販売管理者名・法人の場合は法人名と代表者名。参考として古物商の許可番号などです。


またオークションが終了し、落札者が決定した後、出品者から落札者に対して何度かに分けてメールが送られることになります。

例えば、「落札ありがとうございました」のようなタイトルのメールから、「商品を発送しました」などのようなメールが、各ステップで送信されるはずです。

これらの一連のメールの文章(具体的な記載内容)も申請書に添付します。ですから、送信する各メールの具体的な内容を記載したものをワードでもテキストエディターでも構いませんので、印刷して提出します。


納品書も忘れないようにしてください。納品書の中にも、「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」という旨の一文を記載しなければいけません。納品書を印刷会社に注文する場合には、この一文を入れて印刷してもらうようにしてください。自分で納品書を作成する場合(ネットからダウンロードさせる場合も同じ)にも同じく書き込んでください。この納品書も申請書に添付します。


販売しようとする酒類についての説明書も添付が必要です。パンフレットや商品についての仕様書などを添付します。


さて、ここでリサイクルショップがネットオークションに出品する場合に問題となることがあります。

信販酒類小売業免許で扱うことができる酒類の種別規制の一つに以下のものがあります。


カタログ等の発行年月日の属する会計年度の前会計年度における酒類の品目ごとの課税移出数量が、全て3,000キロリットル未満である酒類製造者が製造、販売する酒類


 通信販酒類小売業免許のページでも書いた通り、通信販酒類小売業免許で扱うことができる酒類には規制があり、日本の国産酒なら「有名な酒蔵や酒メーカー以外の、地酒」に限定されています。その根拠となっているのがこの要件なのです。


この要件があるために有名どころの製造する酒類を通販することができないのです。そして、全国各地に存在する地方の地酒メーカー(酒蔵)が上記の要件に合致するかどうかは酒蔵自身がよくわかっています。ですので、自社(酒蔵)が要件に合致しているという証明書を酒蔵自身に発行してもらい、それを申請書に添付することになります。


そこで、リサイクルショップの場合について考えてみたいと思います。
リサイクルショップは通常、一般消費者から持ち込まれた酒類を買取ります。当然ながら酒類の取り揃えについては卸売業者は原則、介在していません。さらに、酒蔵から酒類仕入れるということもないわけです。


となれば、酒蔵から見ればリサイクルショップ自身はいわゆる直接的な「お客様」ではないことになります。つまり、自社(酒蔵)製品がリサイクルショップに持ち込まれて販売されたとしても、そのことによって酒蔵に売り上げが立つわけではありません。また、今後の取引につながる可能性もゼロです。酒蔵にとってはメリットはないということになります。


それに対して、酒蔵が時間や手間をかけて上記の証明書を作成するとは到底考えられません。証明書の作成をお願いしても、引き受けてくれる可能性はまず、0%です。


そうなると、税務署長が求める証明書の添付ができないことになります。この証明書は添付を省略することはできません。ではどうすればいいでしょう?


 答えは、、、、、


残念ながら、リサイクルショップが行う、買い取った酒類のネットオークションにおいては、国産酒類(地酒)の販売はできないものと考えてください。

税務署は証明書の提出を求め、しかもその証明書は提出を省略することはできない。 しかし、酒蔵からは証明書は発行されない。

であれば、リサイクルショップのオークションにおいては国産の酒類の出品は諦める以外にないのです。


さらに前述の通り有名メーカーの造る酒類も販売できないのですから、リサイクルショップの行うオークション出品については、国産酒類は出品できません。
 以上は、あくまでも国産酒類に限定しての規制になりますから、「輸入酒類」についてはこの規制は一切ありませんので、輸入酒類ならば自由に出品することが可能です。

 

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